シャープが2026年7月に投入するスマートウォッチ「からだメイト Watch」とフラグシップスマートフォン「AQUOS R11」は、いずれも同社らしい独自の着眼点を備えた製品に仕上がっている。からだメイト Watchはウォッチを装着しているだけで摂取カロリーを自動計測するという業界初の機能を搭載。AQUOS R11は背面に搭載した発光機構「アカリウム」による新たな体験を提案する。ポッドキャスト「石川温のスマホNo.1メディア」では、シャープ株式会社商品企画部の清水寛幸部長、田中陽平課長、福永萌々香主任の3名が両製品の詳細を語った。
半導体コスト高騰の中でも「シャープらしさ」を追求——AQUOS R11の立ち位置
AQUOS Rシリーズはついに11世代目を迎えた。清水部長は現在のスマートフォン市場について「半導体の価格の高騰や円安で業界全体が苦しんでいる。その中でもAQUOSを選び続けていただいているお客様はたくさんいらっしゃる」と語り、引き続きシャープらしい生活提案型の商品を届けていく姿勢を示した。
AQUOS R11は「くつろぎのオフ時間」をコンセプトに据えたハイエンドモデルだ。チップセットにはSnapdragon 8s Gen 4を採用し、ディスプレイはピーク輝度3600nitを達成。表裏ともにCorning Gorilla Glass Victus 2を採用した。カメラは初めて三眼構成となり、望遠カメラが追加された。田中課長は「このクラスのハイエンドを見渡しても、しっかりと大きいサイズの望遠カメラを搭載している。暗い場所でもノイズを抑えて撮っていただける」と強調した。
価格は約16万円と前モデル比で5万円上昇した。清水部長は値上げの理由について「性能や価値そのものが上がったことと、半導体コストの影響という2つが組み合わさった結果」と説明。「価格が上がったならその分良いものをご提供しないと納得していただけない」とし、様々な工夫を凝らした商品であることを訴えた。
焚き火・せせらぎ・木漏れ日——背面の発光機構「アカリウム」が生む癒し体験
AQUOS R11の最大の特徴の一つが、カメラ周囲に配置された発光バー「アカリウム」だ。内部にLEDが埋め込まれており、通知の色分け表示といった実用機能のほか、「くつろぎモード」では自然をモチーフにした光と音でリラクゼーション体験を提供する。
くつろぎモードには「焚き火」「水のせせらぎ」「木漏れ日」の3種類が用意されている。福永主任は「実際に焚き火を起こしてマイクを近づけて音を作った。本当のヒーリングサウンド」と制作へのこだわりを明かした。光の色も焚き火はオレンジ、せせらぎはブルー、木漏れ日は緑と、それぞれの情景に合わせて設計されている。
利用シーンについて田中課長は「寝る前の1時間、ちょっとリラックスしようという時にぜひ。暗い寝室で見ていただくと光がパワーとなって綺麗」と推奨した。デジタルデバイスでありながらデジタルデトックスになるという逆説的なコンセプトを、シャープは真剣に追求している。
AIがワンタップで最適ズームを判断——カメラのスマートフィットズームとプライバシーセーフ
三眼化されたカメラシステムには、AI活用の独自機能も加わった。「スマートフィットズーム」は被写体にカメラを向けてアイコンをタップするだけで、AIが被写体までの最適距離を判別し、自動でズームを調整する機能だ。福永主任は「片手では撮れない状況などでパッとやれば寄ってくれる」と利便性を説明した。
もう一つのAI機能「プライバシーセーフ」は、撮影時に映り込んだ現在地を特定できる文字情報(標識やマンホールの地名表記など)をAIが自動検出してモザイクをかける。マイナンバーカードの性別欄や臓器提供の意思表示欄も自動でマスク処理が可能だ。シャープはカメラのAI機能について「アシスト」をコンセプトとし、「難しい設定なしにAI機能が使える」という方向性で差別化を図っている。
装着するだけで摂取カロリーを計測——シャープ初のスマートウォッチ「からだメイト Watch」
今回の発表でもう一つの主役となったのが、シャープ初のスマートウォッチ「からだメイト Watch」だ。心拍数・血中酸素・歩数・消費カロリーといった一般的なスマートウォッチの計測機能に加え、最大の特徴は「摂取カロリーの自動計測」にある。田中課長は「ウォッチを手につけているだけで、摂取したカロリーを計測して記録して見える化できる。これがからだメイト Watchだけの特徴」と語った。
仕組みを支えるのが裏面に搭載された生体電気インピーダンスセンサーだ。微弱な電流を体に流して細胞の電気抵抗の変化を継続的に読み取り、独自のアルゴリズムで摂取カロリーを算出する。田中課長は「食事をすると血中のグルコース濃度が変化し、それに応じて細胞内液・外液の比率も変化する。その変化をウォッチが見ている」と原理を解説した。この技術はパートナー企業のHealBe(ヒールビー)社からライセンスを受けており、日本国内ではシャープが独占的に使用している。
計測精度は約89%と説明されている。田中課長は「日本の食品表示法では、パッケージのカロリー表示に20%の誤差が許容されている。それと比べてどのぐらい正確かイメージしていただければ」と述べた。また、同じ食品を食べても個人差によって吸収量が異なる点についても、「額面通りのカロリーではなく人が実際に吸収したものを測定するので、より個人に即した数値を示せる」とした。
さらに体内の水分バランスを可視化する機能も搭載しており、清水部長は「消費カロリーと摂取カロリーのプラスマイナスが見えることで、今日は食べ過ぎているか、あるいは今夜は少し多めに食べても大丈夫かといったカロリーマネジメントができる。これまでの概念を根底から覆すような体験を生み出してくれる」と期待を込めた。予約反響は当初想定の約2倍に達しており、食・ダイエット・ライフスタイル系のメディアからも注目を集めているという。
スマートリングやヘルスケアサービスも視野に——シャープの今後の展開
清水部長は対談の最後に、からだメイト Watchを皮切りとしたシャープのヘルスケア戦略の広がりについても言及した。「スマートリングやヘルスケアのサービスもシャープとして始めていく。ぜひご興味があれば見ていただければ」と述べ、スマートウォッチ単体にとどまらない展開を示唆した。
AQUOS R11については福永主任が「大幅にスペックも進化しているのでハイエンドが好きな方も安心して手に取っていただきたい。ハイエンドは難しそうと思っている方も、アカリウムやAIアシスト機能など全然安心して使っていただける。ぜひ店頭で触って体験していただきたい」とコメント。からだメイト Watchについて田中課長は「日々のカロリーが自分の目で見えることは、その日の生活や次の日の生活を自然と変化させていくきっかけを与えてくれる商品」と締めくくった。
※本記事はポッドキャスト『石川温のスマホNo.1メディア』の内容を再構成したものです。