まとめ

FCNTが2機種同時投入、arrows We3とarrows Alpha2の全貌

FCNTが2026年6月、2機種のスマートフォンを相次いで発表した。コストパフォーマンスとコンパクトさを追求した「arrows We3」は6月に発売済み、堅牢性とハイパフォーマンスを兼ね備えた「arrows Alpha2」は8月発売予定だ。ポッドキャスト「石川温のスマホNo.1メディア」では、FCNT合同会社の統合マーケティング戦略本部・正能由紀氏、高橋知彦氏、R&Dビジネス本部・久保洋氏、春藤和義氏の4名を迎え、両機種の開発背景と技術的な詳細を聞いた。

値上がり続ける市場でFCNTが選んだ道

物価や部材の高騰が続くスマートフォン市場の現状について、正能氏は「世の中の他の商品も値上げしている中で、FCNTとしてはユーザーの方に寄り添い、どのような価格帯でどういう商品にすると皆さんが欲しい、買える、選択できるものをご用意できるかというところを考えて今回も新しい機種を作っている」と語った。前モデルのarrows αで掲げた「ハイエンド高すぎ問題」への対応姿勢を引き継ぎつつ、「単なるスペックだけではなく、価格に見合う価値を体験できるように仕上げることを大切にしている」と強調した。

arrows We3——コンパクト×5000mAh×エンタメ体験

arrows We3の最大の特徴は、6.14インチのコンパクトなボディに5000mAhの大容量バッテリーを搭載した点だ。高橋氏は「廉価モデルの利用者において、積極的に大画面を選ぶ層は35%弱。一方でコンパクトなモデルを求める層は50%を超えている。さらに今までコンパクトなサイズを利用している層に限定すると、6割弱がコンパクトを選びたいと回答している」と自社調査のデータを示した。グローバル調達のコスト事情から大画面化が進む廉価帯において、あえてコンパクトに徹した理由がここにある。

ディスプレイはHD+よりも高く、フルHDに近い解像度の特注パネルを採用。輝度は1000ニットを超え、スピーカーもデュアルステレオ構成とした。カメラにはミッドレンジ以上のモデルで採用されるライカ(Leica)グレードに相当するイメージセンサーを搭載し、「安いだけではなく、綺麗な写真体験から家族や友達に見せたいという気持ちにつながる、一歩先の生活をお客様に体験していただきたい」(高橋氏)という思いを込めた。

バッテリー長寿命化に向けては「ダイレクト給電」機能を搭載する。通常のUSB充電では本体が発熱してバッテリーにダメージを与えるが、この機能を使うと電力をバッテリーではなくシステムに直接供給するため、長時間のゲームや動画視聴中でもバッテリーが発熱しない仕組みだ。高橋氏は「ローエンドモデルでこの機能を入れているメーカーはうちぐらいではないか」と自信を示した。バッテリー容量は前モデルの4500mAhから5000mAhに増量しつつ、充電制御技術により「5年後も初期容量の80%を維持」することを目標としている。

メモリ・ストレージ構成は4GB+64GBと8GB+128GBの2種類。4GBモデルについては「世界的にメモリの供給が絞られている中で、いかに価格を抑えながら選択肢を広げるかを考えた結果」(高橋氏)と説明した。発売後の反響については「SOCは前モデルから変わっているが、実際に触ったお客様からは非常にサクサクで、前モデルより体感性能が上がっているという声をいただいている」と語る一方、価格上昇についてはユーザーへの理解浸透が「まだまだ難しい」と率直に認めた。

arrows Alpha2——1.8m落下対応の堅牢性と二重防水ボタン

8月発売予定のarrows Alpha2は、前モデルarrows αから堅牢性とデザイン性を大幅に引き上げた最上位モデルだ。カラーバリエーションは2色から4色に拡大。背面にはグラスファイバー素材を新採用し、前面・背面ともにフラットなガラスデザインとした。

堅牢性の向上について、久保氏は「前モデルは1.5mの高さから26方向の落下試験をクリアしていたが、今回はさらに高さを1.8mに引き上げ、コンクリート面への26方向落下をクリアできる水準まで向上できた」と説明した。その鍵となるのが金属フレームの高さ設計だ。「ガラスの周囲が落下した時に直接当たらないよう、金属フレームをギリギリの高さまで持ち上げている。フレームが高すぎると引っかかりが生じ、低すぎるとガラスが直撃してしまう。その絶妙な高さに仕上げることで、落下時の衝撃からガラスを守りつつ手触り感も損なわない構造を目指した」(久保氏)。

今回の目玉機能の一つが「水中撮影」への対応だ。春藤氏によると、他社がカバーアクセサリーで対応するのとは異なり、arrows Alpha2は本体単体で淡水中での撮影が可能という。実現にあたって最大の課題だったのがボタンの防水構造だ。「ボタンは力が加わって動く部分なので、防水構造になっていても劣化しやすい。そこで今回は二重の防水構造にした。ボタン入口部分の防水に加え、万が一そこを通り抜けた場合でもスイッチをラバーで囲う構造を設けている」(春藤氏)。水中使用時はタッチパネルを自動でオフにする誤操作防止機能も実装している。

シリコンカーボン電池で薄型化と大容量を両立

arrows Alpha2のバッテリーには、シリコンカーボン技術を採用した新型セルを搭載した。久保氏は「前モデルより0.2mm薄くなっているにもかかわらず、電池容量を増やすことができた」と語る。シリコンカーボン電池は充放電を繰り返した際の膨張が課題となるが、「電圧をどこからどこまで使うかという使い方の工夫や制御を組み合わせ、なるべく膨れが起きないよう仕上げている。将来的には同じサイズでさらに容量を増やしていける技術だ」(久保氏)と将来の進化にも言及した。

「これですこれです」と思ってもらえる商品を

2機種の詳細を踏まえ、正能氏は「FCNTの使命として、日本の皆さんのニーズに寄り添うモデルを出し続けるということがある。これからも皆さんが見た時に『これですこれです』と思っていただけるような商品をご提供していきたい」と締めくくった。コンパクト×大容量バッテリーのarrows We3、堅牢性×水中撮影×シリコンカーボン電池のarrows Alpha2という2つの軸で、FCNTは高騰が続く市場における「寄り添う選択肢」を提示する。

※本記事はポッドキャスト『石川温のスマホNo.1メディア』の内容を再構成したものです。

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